著者
田中 智哉 木村 圭介 觀 公子 新藤 哲也 笹本 剛生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.119-124, 2021-08-25 (Released:2021-09-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2

チョコレート中のカフェイン,テオブロミンおよびテオフィリンの同時分析法を検討した.試料にアセトニトリル–水(1 : 1)を加え,超音波抽出(15分間,50℃)を2回行い,得られた抽出液をOasis HLB SPEカートリッジで精製し,LC-MSで測定することによりこれらの同時分析が可能であった.検討した分析法は真度97.4%~100.2%,併行精度1.0%~2.8%,室内精度2.0%~7.9%であり,定量性は良好であった.既存の分析法に比べ,本法は簡便かつ選択性の高い分析法であり,チョコレート中のカフェイン,テオブロミンおよびテオフィリンの分析に有用である.
著者
寺井 朗子 萩野 賀世 浅倉 弘幸 大貝 真実 柳原 碧 木村 圭介 田中 智哉 觀 公子 中村 耕 荒金 眞佐子 中野 久子 門間 公夫 笹本 剛生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.174-182, 2018-08-25 (Released:2018-08-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

イヌサフラン(Colchicum autumnale)は,ヨーロッパから北アフリカ原産の多年草で有毒植物である.食用であるギョウジャニンニクなどと外観が類似しているため,誤食による食中毒が発生している.形態観察や有毒成分の検出が困難な少量の試料からでも,イヌサフランであることを迅速に鑑別することを目的として,PCR法を検討した.イヌサフランのリボソームDNA中のinternal transcribed spacer (ITS) 領域をPCRにより特異的に増幅するプライマー対を新規に作製した.イヌサフラン9試料および48種類の農作物等から抽出したDNAを用いて,今回作製したプライマー対によるPCRを行った結果,イヌサフランのみを特異的に検出し,また,調理および人工胃液による消化を受けた試料についても検出可能であった.本PCR法は,イヌサフランに特異性が高く,迅速な鑑別に有用であることが確認された.