著者
新藤 哲也 牛山 博文 観 公子 安田 和男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.29-35_1, 1999-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
19
被引用文献数
3 3

市販及び野生キノコ合計54種85検体のシアン含有量を調査した結果, 18種44検体からシアンが検出された. 市販キノコではニオウシメジが最も多く86~283μg/g (n=11) のシアンが検出された. 次いでマイタケで1.8~46μg/g (n=6) 及びシロアワビタケで1.1~26μg/g (n=7) と高い値であった. 採取した野生のキノコでは1.0μg/g以上のシアンを検出したものはみられなかった. また, キノコ中のシアンは遊離型で存在していると推察した. ニオウシメジを網焼きした場合, やや焼きすぎの6分間加熱でも加熱前の65%のシアンが残存した. また, 水煮した場合でも, キノコ中に27%が残存し, 煮汁に19%が溶出した.
著者
新藤 哲也 牛山 博文 観 公子 安田 和男 斉藤 和夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.277-282, 2004-10-25 (Released:2009-01-21)
参考文献数
17
被引用文献数
6 8

5種の市販ジャガイモ(メークイン,男爵,ワセシロ,レッド,パープル)中のα-ソラニンとα-チャコニンを衛生試験法に基づいて抽出,固相抽出カラムによるクリーンアップを行い,C18カラムを用いてHPLCにより分析を行った.回収率はα-ソラニンおよびα-チャコニンともに 96% と良好であり,本法における定量限界は試料1 g当たりいずれも2μgであった.ジャガイモの皮層部中のα-ソラニンとα-チャコニンはすべての試料で検出され,それらの含有量はメークイン,男爵,レッド,パープル,ワセシロの順で多かった.ジャガイモの髄質部中のα-ソラニンとα-チャコニンはメークインおよび男爵のみから検出され,その含有量はいずれも皮層部の1/10以下であった.ジャガイモを90日間室温暗所で貯蔵した場合のα-ソラニンとα-チャコニン含有量は多少の増減はあったものの5種のジャガイモのいずれの部位においても顕著な増加傾向は見られなかった.
著者
千葉 隆司 貞升 健志 長島 真美 熊谷 遼太 河上 麻美代 浅倉 弘幸 内田 悠太 加來 英美子 糟谷 文 北村 有里恵 小杉 知宏 鈴木 愛 永野 美由紀 長谷川 道弥 林 真輝 林 志直 原田 幸子 藤原 卓士 森 功次 矢尾板 優 山崎 貴子 有吉 司 安中 めぐみ 内谷 友美 神門 幸大 小林 甲斐 長谷川 乃映瑠 水戸部 森歌 三宅 啓文 横山 敬子 吉田 勲 浅山 睦子 井田 美樹 上原 さとみ 小野 明日香 河村 真保 小西 典子 小林 真紀子 齊木 大 下島 優香子 鈴木 淳 西野 由香里 村上 昴 森田 加奈 吉丸 祥平 木本 佳那 新藤 哲也 堀田 彩乃 小林 千種 大塚 健治 吉川 聡一 笹本 剛生 稲葉 涼太 小峯 宏之 佐伯 祐樹 坂本 美穂 塩田 寛子 鈴木 淳子 鈴木 俊也 高久 靖弘 寺岡 大輔 中村 絢 成瀬 敦子 西山 麗 吉田 正雄 茂木 友里 飯田 春香 伊賀 千紘 大久保 智子 木下 輝昭 小杉 有希 斎藤 育江 高橋 久美子 立石 恭也 田中 優 田部井 由紀子 角田 徳子 三関 詞久 渡邊 喜美代 生嶋 清美 雑賀 絢 鈴木 仁 田中 豊人 長澤 明道 中村 麻里 平松 恭子 北條 幹 守安 貴子 石川 貴敏 石川 智子 江田 稔 岡田 麻友 草深 明子 篠原 由起子 新開 敬行 宗村 佳子 中坪 直樹 浜島 知子 野口 俊久 新井 英人 後藤 克己 吉原 俊文 廣瀬 豊 吉村 和久
出版者
東京都健康安全研究センター
雑誌
東京都健康安全研究センター研究年報 (ISSN:13489046)
巻号頁・発行日
no.71, pp.39-46, 2020
著者
新藤 哲也 牛山 博文 観 公子 安田 和男 斉藤 和夫
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.277-282, 2004-10-25
被引用文献数
1 8

5種の市販ジャガイモ(メークイン,男爵,ワセシロ,レッド,パープル)中のα-ソラニンとα-チャコニンを衛生試験法に基づいて抽出,固相抽出カラムによるクリーンアップを行い,C<sub>18</sub>カラムを用いてHPLCにより分析を行った.回収率はα-ソラニンおよびα-チャコニンともに 96% と良好であり,本法における定量限界は試料1 g当たりいずれも2μgであった.ジャガイモの皮層部中のα-ソラニンとα-チャコニンはすべての試料で検出され,それらの含有量はメークイン,男爵,レッド,パープル,ワセシロの順で多かった.ジャガイモの髄質部中のα-ソラニンとα-チャコニンはメークインおよび男爵のみから検出され,その含有量はいずれも皮層部の1/10以下であった.ジャガイモを90日間室温暗所で貯蔵した場合のα-ソラニンとα-チャコニン含有量は多少の増減はあったものの5種のジャガイモのいずれの部位においても顕著な増加傾向は見られなかった.
著者
観 公子 牛山 博文 新藤 哲也 斉藤 和夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.127-132, 2005-06-25 (Released:2009-01-21)
参考文献数
29
被引用文献数
7 10

東京都において,ヒスタミンを原因とする食中毒などは,ここ20年間においてほぼ毎年発生しており,いわし,さば,あじなどの赤身魚によることが多い.そこで,ヒスタミンをはじめ5種の不揮発性アミンについて市販の魚およびその加工品637検体について調査をした.また,ヒスタミンの生成は細菌が関与することから水分活性などを測定した.その結果,ヒスタミンが66検体から5~340 mg/100 gの範囲で検出され,その大半はいわし類の干物であった.同時にチラミンが5~51 mg/100 の範囲で43検体,プトレシンが5~42 mg/100 の範囲で26検体,カダベリンが5~180 mg/100 の範囲で64検体およびスペルミジンが5~8 mg/100 の範囲で5検体から検出された.また,ヒスタミンが検出された干物試料の水分活性は0.68~0.96であった.
著者
田中 智哉 木村 圭介 觀 公子 新藤 哲也 笹本 剛生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.119-124, 2021-08-25 (Released:2021-09-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2

チョコレート中のカフェイン,テオブロミンおよびテオフィリンの同時分析法を検討した.試料にアセトニトリル–水(1 : 1)を加え,超音波抽出(15分間,50℃)を2回行い,得られた抽出液をOasis HLB SPEカートリッジで精製し,LC-MSで測定することによりこれらの同時分析が可能であった.検討した分析法は真度97.4%~100.2%,併行精度1.0%~2.8%,室内精度2.0%~7.9%であり,定量性は良好であった.既存の分析法に比べ,本法は簡便かつ選択性の高い分析法であり,チョコレート中のカフェイン,テオブロミンおよびテオフィリンの分析に有用である.
著者
新藤 哲也 牛山 博文 観 公子 安田 和男
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.29-35, 1999-02-05
参考文献数
19
被引用文献数
1 3

市販及び野生キノコ合計54種85検体のシアン含有量を調査した結果, 18種44検体からシアンが検出された. 市販キノコではニオウシメジが最も多く86~283μg/g (<i>n</i>=11) のシアンが検出された. 次いでマイタケで1.8~46μg/g (<i>n</i>=6) 及びシロアワビタケで1.1~26μg/g (<i>n</i>=7) と高い値であった. 採取した野生のキノコでは1.0μg/g以上のシアンを検出したものはみられなかった. また, キノコ中のシアンは遊離型で存在していると推察した. ニオウシメジを網焼きした場合, やや焼きすぎの6分間加熱でも加熱前の65%のシアンが残存した. また, 水煮した場合でも, キノコ中に27%が残存し, 煮汁に19%が溶出した.
著者
西野 由香里 下島 優香子 森田 加奈 井田 美樹 福井 理恵 黒田 寿美代 平井 昭彦 新藤 哲也 貞升 健志
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.45-51, 2019-06-25 (Released:2019-08-07)
参考文献数
14
被引用文献数
3

食肉から分離された大腸菌における薬剤耐性の動向を把握するために,2011~2017年に東京都で流通した鶏肉,牛肉,豚肉,鹿肉および猪肉から分離された1,115株の大腸菌について,14薬剤の薬剤感受性試験を行った.その結果,14薬剤すべてに感受性であったのは,鶏肉由来株の18.7%(135/721株),牛肉由来株の77.0%(117/152株),豚肉由来株の47.6%(89/187株),鹿肉由来株の100%(28/28株),猪肉由来株の92.6%(25/27株)であった.14薬剤の中では,テトラサイクリン(TC)に対して耐性の株が多く,鶏肉由来株の56.7%(409/721株),豚肉由来株の40.6%(76/187株)が耐性であった.鶏肉由来株では,国産由来株の4.9%(25/506株),輸入由来株の23.7%(51/215株)がセフォタキシム(CTX)に耐性であった.国産鶏肉由来株のCTX耐性率は,2012年(10.6%,17/161株)よりも2016年(0.9%,1/111株)と2017年(0.8%,1/121株)で有意に低かった.本調査の結果から,食肉由来大腸菌株のTC耐性率が高いこと,鶏肉由来株では,輸入由来株の方が国産由来株よりもCTXへの耐性が高いことが示された.
著者
武森 真由美 坂牧 成恵 貞升 友紀 植松 洋子 門間 公夫 新藤 哲也 小林 千種
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.99-105, 2018
被引用文献数
1

<p>HPLCおよびLC-MS/MSを用いた食品中のエリスリトール,マルチトール,ラクチトールおよびトレハロースの分析法を開発した.HPLC分析では,アミノ基結合型ポリマーカラムを用い,カラム温度を室温とすることで定量することが可能になった.LC-MS/MSでは,SRMモードにより定量・確認を行うことができた.また,試験溶液を1,000倍以上に希釈することで,試料由来のマトリックスによる影響を抑えられた.紅茶飲料,ゼリー,ラムネ菓子およびチョコレートを用いた添加回収試験の結果,回収率はいずれもHPLCで90%以上(CV≦6.1%),LC-MS/MSで94%以上(CV≦4.8%)であった.クッキーについては,まず水で抽出してからエタノールを加えることで,HPLCで回収率83%以上(CV≦4.1%),LC-MS/MSで回収率90%以上(CV≦3.0%)と良好な結果が得られた.</p>
著者
大谷 陽範 田村 康宏 馬場 糸子 林 真輝 森岡 みほ子 新藤 哲也 橋本 常生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.183-186, 2018-08-25 (Released:2018-08-30)
参考文献数
10
被引用文献数
2

魚類中PCBsの簡易かつ迅速なモニタリング分析を目的に,高速溶媒抽出装置(ASE)およびGC-MS/MSを用いた分析法を検討した.測定対象は3~7塩化PCBsとし,試料を抽出温度125°C,抽出溶媒n-ヘキサンでASEにて抽出の後,硝酸銀シリカゲル/硫酸シリカゲル積層カラムで精製し,GC-MS/MSで測定することで,簡易で迅速に分析を行うことができた.定量下限は総PCBsで0.78 μg/kgであった.スズキ,サバ,ブリ,サケ,サンマおよびイワシを対象に5並行の添加回収試験を行った結果,総PCBsの回収率は91–108%,変動係数は1∼3%であった.
著者
武森 真由美 坂牧 成恵 貞升 友紀 植松 洋子 門間 公夫 新藤 哲也 小林 千種
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.99-105, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
7
被引用文献数
1

HPLCおよびLC-MS/MSを用いた食品中のエリスリトール,マルチトール,ラクチトールおよびトレハロースの分析法を開発した.HPLC分析では,アミノ基結合型ポリマーカラムを用い,カラム温度を室温とすることで定量することが可能になった.LC-MS/MSでは,SRMモードにより定量・確認を行うことができた.また,試験溶液を1,000倍以上に希釈することで,試料由来のマトリックスによる影響を抑えられた.紅茶飲料,ゼリー,ラムネ菓子およびチョコレートを用いた添加回収試験の結果,回収率はいずれもHPLCで90%以上(CV≦6.1%),LC-MS/MSで94%以上(CV≦4.8%)であった.クッキーについては,まず水で抽出してからエタノールを加えることで,HPLCで回収率83%以上(CV≦4.1%),LC-MS/MSで回収率90%以上(CV≦3.0%)と良好な結果が得られた.
著者
石川 ふさ子 大石 充男 新藤 哲也 堀江 正男 安井 明子 中里 光男
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.339-346, 2008-10-01 (Released:2008-11-25)
参考文献数
19
被引用文献数
5 6

市販ブルーベリーエキス含有健康食品中のアントシアニン含有量とその組成を調査する目的で,食品からの抽出法とHPLCおよびLC/MSによる分析法を検討した.健康食品中のアントシアニンは塩酸酸性メタノールで還流抽出し,吸光光度法によりデルフィニジンの量に換算して定量した.アントシアニン15種とアントシアニジン5 種の計20種は移動相にギ酸とメタノール-アセトニトリル混液を用いたグラジエントHPLCで分離し,ピークの同定はLC/MSを用いた.ブルーベリーエキス含有表示のある市販健康食品25品目に本法を適用したところ,ビルベリー新鮮果実から抽出,精製した標準エキスと組成が異なる製品が1品目あった.