著者
角 マリ子 多久島 寛孝
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
熊本保健科学大学研究誌 = Journal of Kumamoto Health Science University (ISSN:24335002)
巻号頁・発行日
no.15, pp.109-120, 2018-03

本研究は,認知症カフェおよびサロンについて報告されている13件の文献を概観し,研究の動向,取り組みの実態と効果を整理して,今後の研究の方向性,認知症者およびその家族への支援についての示唆を得ることを目的とした。 その結果,以下の結論を得た。1.認知症カフェおよび認知症者に関連するサロンの開設の要素を明らかにすると,認知症者やその家族にどのような影響を及ぼすのか検証することができる。2.認知症カフェの効果については,家族の心情の吐露や家族の人生の回顧等,サロンの効果については,参加者の楽しみの増加や参加者の対人交流の増加等を参加者への効果から明らかにすれば,認知症カフェおよび認知症者に関連するサロンに繋がる継続要因を明らかにすることができ,認知症者とその家族が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けていくための支援の方策に繋げることができる。