- 著者
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松山 隆生
角 泰廣
山田 卓也
村瀬 勝俊
吉田 直優
尾関 豊
- 出版者
- 一般社団法人日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.3, pp.329-333, 2004-03-01
- 被引用文献数
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4
Crohn病に合併した回腸癌の1例を経験したので報告する.症例は59歳の男性で,1999年6月20日に腹痛で前医を受診した.イレウスの診断でイレウス管造影を施行しCrohn病と診断された.その後もイレウス症状が再燃し改善しないため12月23日に回盲弁から30cmの狭窄部を切除された.切除標本の病理検査結果は中分化腺癌で断端,剥離面に癌陽性であった.追加切除目的で2000年2月14日当科に転院した.Crohn病に合併した回腸癌と診断士2月18日結腸右半切除術,膀胱壁合併切除術を施行した.初回手術の吻合部の近傍に辺縁が不明瞭な隆起性の病変を認め,病理検査結果は中分化腺癌で,治癒過程にあるCrohn病が背景粘膜に認められた.Crohn病の高度の狭窄病変に対しては腫瘍の可能性も念頭においた精査,治療が必要であると考えられた.