著者
角ヶ谷 典幸
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究により、日本が財務報告のコンバージェンスをより慎重に進めてきたのは、会計制度および周辺制度が整備されればされるほど、会計制度とその周辺制度との擦り合わせが必要となるためであること、また近年、日本国内の会計および周辺制度の機能分化――金融商品取引法と会社法、財務報告と課税所得計算、上場企業と中小企業の会計の分化――が促進され議論されるようになったのは、グローバルな要請に機動的に応えるためであったことが明らかにされた。さらに、日本の固有性は、日本の伝統的な会計制度や周辺制度とIFRSやアングロ・アメリカンモデルとの擦り合わせから創出されていることが明らかにされた。