著者
中川 恭次 渡辺 清治 角田 智彦 瀬尾 和大 此上 典文
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, 1974-06-15

ある場所で観測される地震動には波動の伝播過程におけるさまざまな要因による影響が含まれているが, 特に観測点直下の表層地盤の影響が大きいと考えられる。そこで表層地盤に関する資料は他の要因に比して比較的豊富であるので, 表層地盤の動特性を観測点ごとに求めることによって, 地表における地震観測記録から観測点直下の基盤における地震動を推定することはある程度可能である。この考え方から東松山地震(1968)の際, 都内13個所で得られたSMAC強震計の同時記録をもとに基盤入力波を逆算し, 表層地盤の動特性と基盤入力波の持つ性質についての考察を行なった。その結果, 基盤入力波の振幅レベル, 特性は推定可能であり, また他の場所で観測された地震記録から計算によって基盤入力波を求めることもある程度可能となった。