著者
角館 俊行
出版者
東北大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究目的 : 本研究では、軟X線顕微鏡の開発を進める中で課題として浮上した、軟X線ミラー基板の形状測定の高精度化を目的とし、新たな基板保持方法の開化を目指した。具体的には、基板回転機構の導入などにより、測定誤差(標準偏差)0.10nm以下のレーザー干渉計測を目標とした。研究方法 : 研究代表者が従事するレーザー干渉計による軟X線ミラー基板の形状測定では、ミラー基板の位置及び姿勢を精密に調整し、それを保持することが重要となる。測定では、測定用ホルダにセットしたミラー基板を90°または180°回転させる必要があるが、従前、この回転はホルダに直接手を触れ行っていた。本研究では、既存のピエゾ駆動精密XYZステージに、コンピュータからの指令が可能な基板回転機構を導入することにより、面内回転・X・Y・Zの全ての軸の調整及び保持を遠隔操作で行えるよう改良し、回転角精度の向上と実験室内での移動や入退室に伴う測定環境変化の回避を図った。また、経年劣化による動作不良が生じた干渉計の拡散板を改良した。上記改良に必要な部品は本研究所の機械工場の協力を得て作製した。全システムの完成後、測定を繰り返し行い、データの取得・解析を行った。研究成果 : ミラー基板の形状測定における測定誤差(標準偏差)は、従来、0.15-0.20nmであったが、本研究では目標であった0.10nm以下まで低減させることに成功した。また、一部作業を除きミラー基板の位置及び姿勢の調整と干渉計測を全て遠隔操作で行えるようになり、測定の高精度化だけでなく簡便化・効率化にもなった。