著者
新美 亮輔 設樂 希実
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PI-074, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)

自身の能力について自己評価を行うと,多くの場合,平均以上に位置付ける。これは平均以上効果と呼ばれる。平均以上効果では,しばしば性差が見られる。一方,このような自己の能力の過大視は実際の能力が低い者ほど大きい傾向があり,ダニング・クルーガー効果と呼ばれる。ダニング・クルーガー効果に性差があるかはよくわかっていない。そこで本研究は,日本の大学生に英文法テストを解いてもらい,ダニング・クルーガー効果の再現実験を行い,加えて性差を検討した。実験の結果,平均以上効果は見られなかったが,ダニング・クルーガー効果は再現された。性差が見られ,女性参加者は男性参加者よりも自身の英文法能力やテスト成績を低く評価する傾向があった。ただし,この傾向は実際のテスト成績の高さとは関連がなかった。したがって,ダニング・クルーガー効果に性差があるとは言えず,全般的な自己高揚傾向の性差が見出されたと考えられた。このような性差の考えうる原因について議論した。