著者
許 波濤 平田 八郎
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.207-213, 1992-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
22

1) ヒラメ幼稚魚の生残, 成長, 飼育環境に及ぼすアナアオサ変異種のフィードバック効果を知るため, 供試魚とアオサの併用培養によるフィードバック投餌区 (A) , 無アオサ併用培養による無フィードバック区 (B) 及び毎日約85%ずつ自然海水と交換した海水交換区 (C) の3実験区を設定し, 22±1.0℃の恒温室で90日間にわたり飼育実験を行った。2) A・B・C区における実験によりは, ヒラメの生残率はそれぞれ92.9%, 14.3%および85.7%, 日間成長率はそれぞれ2.19%, 2.04%および2.17%, また, 飼料係数はそれぞれ0.95, 6.34および1.16であり, いずれもA区のほうがB・C区より優れた結果が得られた。3) A・B・C区における三態窒素およびPO4-Pの実験期間の平均濃度は, NH4-Nでそれぞれ4.4, 26.0および4.5, μg-at・l-1, NO2-Nでそれぞれ0.8, 8.5および1.1μg-at・l-1, NO3-Nでそれぞれ7.0, 35.3および5.8μg-at・l-1, またPO4-Pでそれぞれ3.8, 6.7および2.6μg-at・l-1であり, アオサの併用培養によるヒラメの飼育環境保全に効果が得られた。