著者
安田 康晴 二宮 伸治 諌山 憲司 竹井 豊
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.5-14, 2015-02-28 (Released:2015-02-28)
参考文献数
19

救急車搬送中の傷病者の容態悪化を防ぐため安静に搬送する必要があり,高規格救急車には加速度等により生ずる揺れを吸収するために防振架台が設置されている。本研究は救急車の振動と防振架台の効果と対策について検討した。実験1:3種類の救急車で障害物を走行し,床上と防振架台上の振動を測定した。独立懸架方式サスペンションの救急車が最も振動が小さく(p<0.001),全救急車で床面上より防振架台上が大きく(p<0.05),共振により振動が増幅していた。実験2:救急車と防振架台の共振周波数について検討した。車体は5〜20Hzで振動が減衰しているが,防振架台上は3〜5Hzで減衰し,10Hz以上では車体に対して著しく振動が増加した。防振架台を固定すると当該振動のゲインが低くなった。防振架台は3〜5Hzの低周波域で効果的に振動を吸収するが,衝撃荷重では著しい共振を起こす。振動を抑制する対策として,防振架台を固定する,障害物の走行時は減速することがあげられる。
著者
諌山 憲司 安田 康晴 小田 浩文
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.22-30, 2011-02-28 (Released:2023-03-31)
参考文献数
15

救急現場活動中において,階段搬送時に救急隊員が身体負担を感じていると報告されている。本研究は,階段搬送時における救急隊員の身体負担の現状を明らかにすることを目的とした。救急隊員760名を対象に,階段搬送時における身体負担に関するアンケート調査を行った。階段搬送時に身体負担を感じたことがあるのは694名(92%)で,最も負担を感じるのは腰部(481名:69.8%),狭く急な角度の階段(677名:97.6%),傷病者の頭側の搬送位置(342名:52.4%)であり,最も多く使用されている資器材は布担架であった。身長別に腰部負担の発生率について検討した結果,負担発生率は隊員の身長が高くなるほど高率の傾向がみられ,階段搬送時の身体負担は,救急隊員の身長が関与していることが示唆された。