著者
朱 愛軍 覃 宇 謝 成磊 李 玉友
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.280-291, 2021-07-31 (Released:2022-07-31)
参考文献数
34

脱炭素や循環型社会の実現のために,バイオマスの利活用がますます重要になってきている。近年メタン発酵によるバイオメタン生成とバイオガス発電が注目されている。本稿ではバイオガスの生成に関する研究動向を総括するために,まずデータベース Web of Science を用いて,バイオガスに関する研究論文の年間発表状況をまとめた。次にメタン発酵技術に焦点を絞り,プロセスの効率化と安定化を向上させるためのさまざまな強化技術 (前処理,添加材および混合消化) をレビューした。また,筆者らが近年行なった都市廃棄物系バイオマス (生ごみ,下水汚泥および紙ごみ) の混合メタン発酵研究を紹介した。最後に,日本で実装化されているメタン発酵プラントの代表的事例を取りあげ,応用拡大の可能性を展望した。