著者
谷 誠一郎 高橋 康博
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.15-27, 2020-07-01 (Released:2020-07-01)
参考文献数
62

量子コンピュータは現在のコンピュータにおける不可能を可能にする高速コンピュータとして大きな期待を集めている.この期待の実現には,新しいハードウェア技術とともに,ハードウェアの能力を引き出す新しいアルゴリズム技術が不可欠である.本稿では,このような高速量子アルゴリズムの開発に焦点を当て,量子コンピュータ単体による計算や通信が可能な複数の量子コンピュータを利用する計算のために開発されてきた高速量子アルゴリズムの歴史を振り返るとともに,我々の成果について,その原点となる発想を中心に紹介する.
著者
谷 誠一郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.102-112, 2020 (Released:2020-09-01)
参考文献数
84

量子コンピュータは,量子力学の原理を用いて計算を行うコンピュータであり,現在のコンピュータを超える計算能力を発揮することが期待されている.そのためには,量子コンピュータのハードウェアを効果的に使って計算を行うアルゴリズム(量子アルゴリズム)が必要となる.本稿では,これまで行われてきた量子アルゴリズム研究を概観し,課題と展望について議論する
著者
河村 祐一郎 金谷 誠一郎 小原 和弘 長久 吉雄 砂川 理三郎 松下 貴和 五味 隆 和田 康雄 大歳 雅洋
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.9, pp.2620-2627, 2009 (Released:2010-02-05)
参考文献数
12

当科では,低侵襲性と機能温存を期待して,早期胃癌に対し,腹腔鏡下自律神経温存D1+β郭清術を行ってきた.本稿では,特にその迷走神経腹腔枝温存の手技と臨床評価について報告する.2001年5月から2008年6月までに当院で施行した腹腔鏡下幽門側胃切除術(デルタ吻合によるB-I再建)150例のうち追跡調査可能であった129例(温存群:84例,非温存群:45例)の患者アンケートおよび内視鏡検査により評価した.結果,非温存群では,便の性状が軟便傾向となる率が高く(20.5%対44.4%),胃内容こみ上げも有意差を認めた(17.9%対33.3%).内視鏡検査所見では,胆汁逆流が非温存群で有意に高い結果(44.1%対62.2%)となった.今回の検討では,両群間で郭清程度,病期といった背景が異なるものの,迷走神経腹腔枝の温存によって,下痢,逆流症状といった,術後後遺症が軽減される可能性があると考えている.