著者
谷口 彰治 幸野 健 細見 尚子 東 奈津子 山本 直樹
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.389-391, 2000
被引用文献数
1

液体窒素凍結療法や電気焼灼術などの通常の治療にて軽快しない難治性の尖圭コンジロームに対し,ヨクイニンによる漢方治療を行い有効性を評価した。計11症例にヨクイニンエキス錠1日6.0gを12週間投与したところ,有効以上は36.4%,やや有効以上(有効率)は72.7%であった。副作用として一過性の軟便が1例に認められた。以上よりヨクイニンは尋常性疣贅や青年性扁平疣贅と同様に,尖圭コンジロームに対しても抗疣贅作用を期待できると考えた。
著者
河平 一宏 木原 綾子 蔭山 充 谷口 彰治
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.175-178, 2015 (Released:2015-11-13)
参考文献数
13

症例は70歳代,女性。以前より他院呼吸器内科で咳と慢性副鼻腔炎のため増悪時のみ治療をされていた。2012年6月頃より全指趾爪の肥厚,成長遅延,一部の黄色変化をきたし,上記病院皮膚科で黄色爪症候群と診断されたが治療されなかったため同月当院を受診した。当科でも黄色爪症候群と診断し,クラリスロマイシン内服,ステロイド外用による治療を行ったが効果なかった。しかし,副鼻腔炎に対して処方された辛夷清肺湯内服を開始したところ,副鼻腔炎とともに爪症状も改善した。過去の症例においても呼吸器疾患の改善に伴い黄色爪の改善が報告されており,呼吸器疾患と黄色爪との関連が示唆された。(皮膚の科学,14: 175-178, 2015)