著者
福光 一夫 北村 征治 木内 恵子 谷口 晃啓 宮本 善一 平尾 収
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.99-103, 2003-04-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
9

1997年1月1日から1999年12月31日の3年間に当センター小児集中治療室(PICU)に入室した545例の年齢別,疾患別在室日数を調べた。平均年齢は2.3歳,平均PICU在室日数は10.6日であった。年齢別では新生児症例が全体の19.6%を占め,在室延日数の45.1%を占めた。新生児症例のうち27.1%は入院期間内にPICUに再入室していた。疾患別では左心低形成症候群,先天性横隔膜ヘルニァ,臍帯ヘルニアなどの先天性疾患で新生児手術症例のPICU在室期間が長かった。PICUに占める新生児症例の割合は,我が国での周産期医療の進歩とともにさらに増加すると推察された。診療報酬の試算結果では特定集中治療室管理料加算日数を現状の14日から21日に延長し新生児症例については60日にすることで,PICU在室延日数の88%が加算対象となった。PICU不足問題に対して医療経済面からも効果を期待するためには,加算日数を大幅に増やした小児集中治療室算定基準を設ける必要がある。