- 著者
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佐々木 優
中場 寛行
玉川 浩司
吉川 浩之
谷口 英治
大口 善郎
有馬 良一
- 出版者
- 一般社団法人 日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.7, pp.471-478, 2018-07-01 (Released:2018-07-25)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
-
1
症例は50歳の女性で,右頸部に膨隆を自覚し,一過性の頸部閉塞感や通過障害も認めていた.前医を受診し,頸部超音波検査にて甲状腺腫瘤を疑われ当科紹介となった.CTでは甲状腺右葉背側に内部に微細な空気を伴う囊胞性腫瘤を認め,食道粘膜との連続性が疑われた.食道造影検査にて頸部食道右側に突出した憩室を認めたことからKillian-Jamieson憩室(以下,K-J憩室と略記)と診断し,有症状であったため憩室切除術を施行した.術中経鼻胃管より送気すると憩室はより大きく膨隆し,容易に把握することが可能となった.憩室はKillian-Jamieson spaceから発生していることが確認でき,基部にて憩室を切除した.消化管憩室の中でもまれではあるが,嚥下障害などの症状を伴う甲状腺腫瘍を疑われた際には,K-J憩室の存在も念頭に置く必要がある.