著者
谷守 正行
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.91-108, 2021-03-31 (Released:2021-03-30)
参考文献数
32

市場では「所有から利用へ」を実現するサブスクリプション・ビジネスが盛んである.サブスクリプション・モデルは,契約後に顧客が継続的にサービスを利用することで価値が高まる仕組みである.他方で,低収益環境が続く国内の銀行では銀行口座に継続的な手数料を賦課することが検討されている.最初に,これまでの管理会計の価格設定と比較しながらサブスクリプション・モデルによる価格設定を研究する.次に,サブスクリプション・モデルの価格設定を銀行のアカウントフィーに適用することによる銀行の収益性への影響をシミュレーションにより検討する.その結果,サブスクリプション・モデルを銀行アカウントフィーに適用することにより,共創価値を想定した価格設定が可能になり,企業収益性と顧客価値の両方を向上できることが分かった.
著者
谷守 正行
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.312-317, 2023-08-01 (Released:2023-08-01)

元来,定期配達や定期購読の意味でしかなかったサブスクリプションサービスが,いったいどうしてあらゆる世代の購買行動の変革を促すに至ったのであろうか。それを検討するためには,そもそもサブスクリプションとは何なのかを明らかにする必要がある。そこで,最初にサブスクリプションの定義を行い,サブスクリプションたる機能要件を明らかにした。そのうえで,商業的な意味で使われるサブスク進化形態や従来のシェアリングサービスとの比較検討を通して具体的に検証した。最後に,サブスクリプションサービスと購買行動の変化の関係性を検討し,事業者および利用者それぞれに対するサブスクリプションのメリット/デメリットを述べる。