著者
河島 則天 太田 裕治 谷崎 雅志 中澤 公孝 赤居 正美
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.222-227, 2003-07-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
11

脊髄損傷者用の交互歩行装具 (Advanced Reciprocating Gait Orthosis: ARGO) に膝関節屈曲-伸展動作を実現するための動力機構を装備した. 第12胸髄完全損傷者による試歩を行ったところ, 通常のARGO使用時の歩行速度, 股関節運動を減ずることなく歩行遊脚期における膝関節動作が実現され, この動作に伴って膝関節の動作に関与する下肢麻痺筋の活動電位の振幅・位相に変化が認められた. 本研究の結果は, 脊髄損傷者の装具歩行における膝関節動作の実現が, 麻痺筋およびそれを支配する脊髄運動ニューロンの活動励起による神経生理学的な効果を生ずる可能性を示唆するものであった.