著者
柘植 秀樹 谷川 貴信 榊原 正登
出版者
海水誌
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.58-63, 1996

水酸化マグネシウム懸濁水溶液中に炭酸ガスを吹き込み, 半回分反応晶析を行ったところ, 反応温度60℃以上では塩基性炭酸マグネシウムが, また反応温度が55℃以下では炭酸マグネシウム3水和物が生成され, 中間の55~60℃では両者が混在した.<BR>反応の進行とともに槽内のpHは低下するが, pH8.5付近から反応が始まり, 7.8付近で反応が終了し, 炭酸マグネシウム粒子が得られる. 晶析の進行過程は, 塩基性炭酸マグネシウムでは原料の水酸化マグネシウムの表面より反応が徐々に進み花弁状粒子を生成するのに対して, 炭酸マグネシウム3水和物では針状粒子を生成し, ついには6角柱状の凝集体を得た.