著者
村川 徳昭 橋本 浩 大嶋 重則 豊田 幹夫 松木 明知 尾山 力
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.291-294, 1986

フルニトラゼパム+ブプレノルフィンによるNLA変法の副腎皮質機能に及ぼす影響について, 16~74歳の男女30人を対象とし, 開腹術群12人と非開腹術群18人の2群に分けて各々血漿コルチゾール濃度を指標として検討した. チオペンタール, サクシニルコリンで麻酔導入後, フルニトラゼパム20μg/kg, ブプレノルフィン3μg/kgを静注し, 70%笑気と30%酸素にて麻酔を維持した. 必要に応じて, パンクロニウム, d-Tcを投与した. 血漿コルチゾール濃度は本法自体により変化しなかったが、手術後漸増し麻酔覚醒時には最高値となった. 開腹術群に比べて非開腹術群では血漿コルチゾール濃度の上昇は少なく, 両群間の侵襲度の大小が原因と考えられた.