- 著者
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貝 英幸
- 出版者
- 佛教大学歴史学部
- 雑誌
- 歴史学部論集 (ISSN:21854203)
- 巻号頁・発行日
- no.11, pp.133-142, 2021-03-01
本稿では、洛中周縁部「洛中周辺地域」の地域様相の実態解明の手がかりとして、北野社領(北野社領西京)の検討を行う。室町戦国期の同社領のなかでも、門前所領は重要な所領の一つであり、主には上下保と二三条保の二つが確認される。しかし、応仁文明の乱後には、そのうち二三条保で不知行化が進行し、領主北野社の支配は西京上下保を専らとするようになる。本稿では特に二三条保の不知行化の様子を確認し門前所領の実態、その原因や背景として考えられる同社組織の問題を検討する。西京伊勢氏御供京兆家曼殊院門跡