著者
貝瀬 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.304, pp.7-11, 2011-11-11

計数データは,時間に依存した故障個数の履歴データなどを意味する.例えば,設備プラントやソフトウェアでは修理やデバグを繰返しており,これらでは計数データに基づいた解析が求められる.特に,信頼度成長の推測を目的とすることもあり,ソフトウェアのデバグ過程の予測などが一例である.故障時間のみを用いた信新性解析ではワイブル分布を用いることが多いが,故障数と故障までの時間を同時に扱い,かつ信頼度成長を推測する場合には確率過程モデルを用いることが基本となる.本報告では,非定常ポアソン過程モデルに着目する.特に,強度モデルにワイブル分布を想定することで時間依存の信頼度成長を想定し,さらに加速モデルを導入した階層ベイズによる複雑な故障モデルの構成を試みる.また,推定法として周辺尤度に基づいた経験ベイズ法を用い,さらに過去の経験に基づく事前分布の設定に基づいたベイズ推論も同時に構成する.ここでは,階層ベイズを構成しない非定常ポアソン過程の加速モデルも構成し,推定には最尤法およびマルコフ・チェイン・モンテカルロを用いたベイズ法の適用も扱う.さらに,これらのモデルおよび推定手法に関する選択をEICに基づいて行うことを提案する.
著者
貝瀬 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.298, pp.21-24, 2010-11-12

劣化データの信頼性解析において,確率過程モデルを想定した手法が数多く提案されている.例えば,ブラウン運動やガンマ過程といったモデルが用いられ,さらに加速モデルの想定もされている.しかし,統計学の視点で捉えると,これらのモデルに関するパラメータ推定法にはいくつかの手法の適用が可能であり,具体的には最尤法,一般化モーメント法,そしてべイズ法が挙げられる.また,モデル選択として情報量規準が考えられるが,異なる推定方法では統一的な評価に困難さが生じる.本研究では,レヴィー過程で捉えた確率過程モデルと複数のパラメータ推定法を扱い,モデル選択では情報量規準EICを適用する.