災害時などの緊急用の通信や,有線回線を敷設できない山間部や過疎地の通信を補完するネットワークの一つとして衛星通信が挙げられる.しかし,広帯域の衛星回線を利用した通信の場合,通信プロトコルに従来のTCP(Transmission Control Protocol)を用いると,回線の大きい遅延時間と通信品質の変動から回線のもつ性能を十分に活かすことができないことが分かっている.本発表では,既存のTCPのウィンドウサイズの制御アルゴリズムを改良することにより,衛星回線に適した性能を持たせることを検討した結果について報告する.