著者
フランス近代法研究会 江藤 价泰 瓜生 洋一 荻原 貞正 貴田 晃
雑誌
大東法学 (ISSN:02870940)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.327-335, 1996-03-30

本稿は、引き続き第二部「人と家族」のうち、立法委員会が提案し、憲法制定議会が1792年に制定したデクレについて詳述する。すなわち、そこには三種類の離婚原因が明記された。第一は法定原因である(心神喪失、有罪判決、虐待、遺棄など7項目が定められた)。第二は双方の同意(協議離婚)である。第三は性格の不一致である。第三の原因の場合には、親族または友人による会議が3回開催され、申し立てが認められても少なくとも1年はかかるようにされた。また待婚期間は男女共に1年とされた。さらに、1794年デクレでは、第一の法定原因については六ヶ月の不在または遺棄のみとなり、第三の原因についても短期間で離婚が可能となった。さらに待婚期間は女性のみ10ヶ月とされ男性については廃止された。