著者
賀川 恵理香
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

本研究においては、現代パキスタンにおける女性たちのパルダ実践に着目する。パルダとは、パキスタン、インド、バングラデシュを中心とした南アジア地域に広く存在する性別規範のことであり、狭義には女性のヴェール着用、広義には男女の生活空間の分離を意味する。多くの先行研究において女性に抑圧的な規範として分析されているパルダであるが、現代パキスタン都市部に暮らす女性たちの多くは、パルダ規範を守りつつも、進学や就職などを通して社会と積極的に関わっている。本研究においては、女性たちがどのようにパルダを解釈し、そしてどのようにパルダを実践しているのかを、聞き取り調査や参与観察(住み込み調査)を通して明らかにする。