著者
鹿内 健志 大城 梨実 官 森林 赤地 徹
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.142-154, 2017

<p>機械による効率的な農作業を進めるためには,圃場毎の作業実態に応じて作業機を最適な方法で利用する計画を策定する必要がある.最適な作業計画のためには,作業機の作業面積,作業内容および作業時間などの作業履歴を記録し,データを詳細に分析し,その結果から最適な作業方法を明らかにする必要がある.サトウキビ機械収穫作業において収穫機と搬出機の両方に市販の安価なGPSを取り付け,両者の軌跡を分析することで,数パーセントの誤差で,収穫機と搬出機の作業実態を分析することができた.有効作業効率は小型収穫機は0.29(一方向刈)および0.37(往復刈),中型収穫機では0.27(一方向刈)および0.38(往復刈)であった.圃場作業量および有効作業量は中型収穫機は小型収穫機のほぼ二倍であった.収穫機と搬出機の相互の挙動を解析することで,作業の非効率な部分を明らかにし,効率の改善の可能性を示すことができた.そのことにより,小型収穫機については搬出機との連携作業を最適化することで,現在より能率向上できる可能性があることがわかった.また,降雨量と機械稼働の関係から小型収穫機は中型収穫機より稼働率が6%程度高い可能性があることがわかった.</p>