著者
赤川 陽子 木村 直子
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.56-66, 2019 (Released:2019-12-13)
参考文献数
17

本稿は,保育士のバーンアウト状況をもたらす原因を職場でのストレス要因から明らかにし,具体的な職場環境の改善を提案することを目的とする。結果,次の3つのことがわかった。⑴休憩時間の取得時間が短い保育士ほど疲れている。勤務中の休憩時間は少なくとも30分の取得が必要である。⑵自宅への持ち帰り仕事については,週4日まではストレスを溜め込みながらもバーンアウトへの影響を認められず,週5日になるとバーンアウトに直接的影響がある。⑶持ち帰る仕事の内容が,本来職場で完遂する内容の場合はストレスと感じているが,保育士自身のスキルアップにつながる自主研究であればストレスと感じず,やりがいや満足感を感じていることがわかった。