- 著者
-
片野 裕貴
赤松 一澄
田村 将太
田中 貴宏
- 出版者
- 公益社団法人 日本都市計画学会
- 雑誌
- 都市計画論文集 (ISSN:09160647)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.3, pp.851-857, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
-
1
1
近年、我が国では、降雨の集中化、激甚化が進んでおり、全国各地で毎年のように大規模な豪雨災害が発生している。中でも、平成30年6月28日から7月8日にかけて、梅雨前線と台風7号が引き起こした豪雨は、西日本を中心に甚大な被害を広域にもたらした(平成30年7月豪雨)。豪雨災害による被害拡大の要因としては、降雨強度の増大以外にも、危険性が相対的に高いエリアの都市化(市街地縁辺部へのスプロール、低平地の農地転用による宅地開発など)があると考えられ、これによる土砂災害や水害の危険性増大も指摘されている。そのため、豪雨災害対策としては、堤防やダム等の防災施設整備に加え、土地利用のコントロールや危険性の高いエリアにおける建物の建て方の工夫等も必要と考えられる。そして、そのためには、被害を受けやすいと考えられるエリアや建物の特性を把握する必要があると考えられる。そこで本研究では、実際の建物被害データとして罹災証明書発行のための調査データ(罹災証明書データ)を用い、土砂災害、水害を合わせて対象とし、被害を受けた建物の特性やその立地特性を把握することを目的とした。