著者
赤澤 計眞
出版者
新潟大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究はイギリス中世後期社会の歴史的特質を明らかにすることを目的とし、平成6年度の研究課題は、中世後期のイギリス社会に視点を特に定め地域支配の行政(ローカル・アドミニストレーション)面に関する史料を分析対象に設け、領主権と地域支配組織との社会的・政治的関連を明らかにすることを研究の主たる目的としつつ、同時に裁判権をふくむ領主支配を明らかにすることに目標が置かれた。具体的には、この場合の中世後期のイギリス社会は大きな時代の変動期を内にもっている移行期で、中世後期とは主として13世紀から15世紀の時代を意味しているが、研究のねらいをしぼって、成果をできるだけ生産的にみちびき出すことが大切であるためこの課題を具体的に効果あるように深化させるために、平成6年度は13世紀から14世紀前半にわたる時期にほぼ限度に研究を進めることにした。交付額230万円のほぼ50パーセントを備品費に配合する計画を立てて研究の素材をととのえることに本年度は努力の目標を置くこととし、主として研究書および史料集の購入にあてて図書費として支出し、結果的に約60パーセントの金額が研究文献・史料集の購入に支出された。また、神戸大学・広島大学・東北大学・名古屋大学・東京大学等の研究室・図書館・資料室において史料収集をおこない、必要不可欠と思われるものについて複写・写真撮影をおこなった。平成6年度は土地訴訟・新侵奪訴訟など具体的な訴訟過程に注意を払い、また権原開示訴訟(プラキタ・デ・イオ・ワラント)との関連を解明することにもつとめている。これと共に領主権の基盤をなす土地所有関係と相続関係に研究の重点を置いた。