著者
河端 俊治 赤築 秀憲
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.241-248, 1972
被引用文献数
1

(1) DEVIKにより MAILLARD反応において N-NAの生成の可能性が指摘されたので,これの追試を行なうとともに,MAILLARD反応条件とN-NAの生成の可能性についても検討し,この反応においては,N-NAの生成されないことを明らかにした。<BR>(2) 今回のN-NAの定性および定量法は,TLCおよびGLCで行なったが,さらに一部の材料につきGLC-MSによる確認も併用した。<BR>(3) N-NAはpyrazine誘導体とGLC, TLCあるいはポーラログラフィーの還元波で似た挙動を示すので,DEVIKがMAILLARD反応でN-NAを検出したというのは(ポーラログラフィーの還元波のみで同定)pyra-zineまたはその誘導体とN-NAを誤認したものと思われる。<BR>(4) 市販のしょう油,みそ,パン,コーヒー,についてN-NAの検査を行なったが全く検出されなかった。