著者
赤部 晃一 Graham Neubig Sakriani Sakti 戸田 智基 中村 哲
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.87-117, 2016-01-25 (Released:2016-04-25)
参考文献数
30

複雑化する機械翻訳システムを比較し,問題点を把握・改善するため,誤り分析が利用される.その手法として,様々なものが提案されているが,多くは単純にシステムの翻訳結果と正解訳の差異に着目して誤りを分類するものであり,人手による分析への活用を目的とするものではなかった.本研究では,人手による誤り分析を効率化する手法として,機械学習の枠組みを導入した誤り箇所選択手法を提案する.学習によって評価の低い訳出と高い訳出を分類するモデルを作成し,評価低下の手がかりを自動的に獲得することで,人手による誤り分析の効率化を図る.実験の結果,提案法を活用することで,人手による誤り分析の効率が向上した.
著者
Neubig Graham 工藤 拓 赤部 晃一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.36-37, 2015-12-15

日本語から英語へと自動的に翻訳する機械翻訳では,最先端の翻訳器は何ができるのか? 何ができないのか? 本章は,この疑問に答えるべく,翻訳の誤り分析を行った結果を報告する.6つの最先端の翻訳システムを用意し,さまざまな分野のテキストを翻訳して,翻訳結果の誤りを分析した.その結果,「単語の削除」「単語の並べ替え」「語彙の訳選択」は今でも大きな課題であることが分かった.特に,曖昧な語彙の訳選択に大きな課題があることが明らかとなり,今後機械翻訳はこの問題を克服していく必要があることが明らかとなった.