著者
越中 勝行 高井 昌彰 佐藤義治
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.92(1993-CG-065), pp.17-24, 1993-10-22

コンピュータグラフィックスにおいて、煙、炎、雲のような境界の曖昧なオブジェクトやその自然な振る舞いを可視化するためのモデリングが必要とされている。近年、このような現象に対してparticle systemによるモデリング手法が提案されているが、粒子の複雑な振る舞いを表現するために各粒子間の相互作用を考慮すると膨大な計算量が必要となる。一方、セル構造オートマトンは形式的な並列計算モデルで、比較的単純な状態遷移規則によって複雑な挙動を表現できるという特徴がある。そこで、本論文では、Margolus近傍形を用いたセル構造オートマトンに力学的量を付加した粒子運動モデルを提案し、そのグラフィックス応用の幾つかを基に本モデルの適用性を検討する。