著者
越本 幸彦 山崎 祥光
出版者
医学書院
雑誌
病院 (ISSN:03852377)
巻号頁・発行日
vol.77, no.10, pp.812-815, 2018-10-01

■宿日直許可とは 連載第1回で記述した通り,「労働時間」とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」であり注1,例えば,宿直の際に仮眠中の時間があっても,「労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである」とされ注2,実労働が発生していなくても,指示に従い,業務への即応が求められる場合には仮眠時間も労働時間と判断されることになる. そのため,宿日直の中で,軽微な業務であっても,労働からの解放が保障されていると言えなければ,それは労働時間であり,(仮眠時間も含めて)日勤時間帯と同じ賃金が発生し,宿直時間が時間外労働や深夜労働に該当する部分は,所定の割増賃金を支払わなければならない.
著者
越本 幸彦 石井 洋輔
出版者
医学書院
雑誌
病院 (ISSN:03852377)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.849-853, 2019-11-01

■チーム医療と秩序維持 「チーム医療」という言葉が浸透して久しいが,医療の高度化・複雑化に伴い,医療現場では,複数の専門医療技術者が,互いに連携・補完し合いながら,患者の状況に的確に対応した医療を提供している. 他方で,人の生命・身体を相手にする医療現場は,日夜,搬送されてくる重篤な傷病者や,容態が急変した患者への即応が求められる上,身体への侵襲行為を伴う医行為の性質上,一つの判断ミスや過誤は重篤な結果を招きかねないなど,精神的にも肉体的にも極めて緊張度が高い職場である.