著者
足立 吟也
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.386-390, 1990-08-20 (Released:2017-07-13)

名画「風と共に去りぬ」といっても, もはや映画ではなくビデオの世界で, テレビと組み合わせたセットで楽しめる。衛星を使って世界の事件やスポーツ中継が私たちの目の前にテレビの画像として届けられてくる。我が国でカラーテレビの放送が始められたのは1960年であるが, それから30年, 今や世界第1位のテレビ受像機の生産国となった。このテレビの仕組み, 特にどのようにして"色"を出しているのかを中心に学んでみよう。
著者
松井 博 橋詰 源蔵 足立 吟也 塩川 二朗
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.6, pp.959-963, 1988-06-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
13

CaS:Ce 蛍光体に水蒸気を作用させたときの CaS:Ce の加水分解過程を調べた。CaS:Ce を 25℃, 40% RH の雰囲気中に置くと, CaS 結晶の表面は初期の段階ですでに SO4と SO3 が生成している。そこへ, まず水蒸気が CaS の構造中に OH の形で取り込まれ, つぎに分子状の水として入ってゆく。さらに CaS と水蒸気と接触しつづけると, あらたに Ca(OH)2 が生成し, これが空気中の二酸化炭素と反応して CaCO3 が生成する。加水分解の初期から CaS:Ce の表面にはすでに CaSO4, CaSO3 の存在が認められ, また試料に水が吸着しやすく その結果 Ca(OH)2 が生成した。生成した Ca(OH)2 は炭酸化が徐々に進行し CaCO3 も一部生成した。さらに, 25℃ の飽和水蒸気雰囲気にしたデシケーター中に放置すると, 一部, II・CaSO4 が生成するものの最終的には CaSO3・1/2H2O に変化した。これは試料を飽和水蒸気雰囲気にデシケーター中に放置した結果, 酸素が不足したため II・CaSO4 が生成しにくくなったものと思われる。