著者
住 明正 車 恩貞
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は大気大循環モデルプログラムを用いて、モデルの長期積分を行い、そこに生じる年々変動の解析を行うことである。特に、各種観測データの統計分析やモデル実験の結果の解析を通じてエルニーニョの気候システムへの影響やメカニズムの解明を行うことが中心である。平成17年は顕著な異常気象をもたらした年(たとえば、2004年猛暑)を選び、大気大循環モデル(T106)を用いて季節予報を行い、再現できるかどうかを確認した。研究の開始が平成17年10月からであり、現在は、時間積分を継続しているところである。今までの大気海洋結合モデルの結果では、エルニーニョの振幅が弱いことが示されえている。この主たる理由は、温度主躍層が拡散することであるが、その理由を探ることを行っている。さらに、分解能を高くしたT213の大気大循環モデルを用いて再現を試みている。近年季節予報における結合モデルの重要性が指摘されているので、共生プロジェクトで開発された気候モデルを用いて季節予報を行い、結合モデルと単独の大気モデルの結果を比較している。とりわけ大気海洋相互作用の意味について考察中である。