- 著者
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河内 利賢
武井 秀史
塚田 久嗣
相馬 孝博
輿石 義彦
呉屋 朝幸
竹内 弘久
跡見 裕
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
- 雑誌
- 気管支学
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.5, 2005
症例は57歳の男性, 呼吸困難を主訴に当院を受診した. 2002年4月に進行胃癌にて胃全摘術の既往がある. 6月28日, 当院を受診し, 胸部Xpにて左肺の過膨張像を認めた. 翌日のCTにて左無気肺と気管分岐部〜主気管支周囲リンパ節の腫大による左主気管支狭窄像を認め, 胃癌の縦隔リンパ節再発による, 気道狭窄と判断した. 気管支鏡所見では左主気管支に気管分岐部よりリングの部位に全周性の狭窄を認めた. 同部位の組織診断にて胃癌の縦隔リンパ節再発を確認した. 呼吸困難にてPS3と全身状態が悪化したため, 6月30日, 姑息的に左主気管支にUltraflex Covered Stentを挿入, 留置した. 7月1日, 胸部Xpにて左無気肺の改善を認めた. その後, 一旦退院し, TS-1を含む化学療法を施行した. PS1と全身状態も改善し, 3か月間の自宅療養が可能となった. 姑息的にStent挿入を行い, QOLの改善を認めた症例を経験したため, 報告する.