著者
織畑 道宏 加戸 秀一 竹内 弘久 畑 真 森脇 稔 掛川 暉夫
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.439-444, 2001 (Released:2011-06-08)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

目的: 大量経口投与されたビタミンB12は濃度勾配により吸収され, 内因子を必要としない. 胃切および胃全摘症例についてメコバラミン (メチコバール) の経口投与の有効性を検討した. 方法: 幽門側胃切除B-I法11例, 胃全摘R-Y 8例にメコバラミン1日量1.5mgを分3で4週間経口投与し, 血清ビタミンB12濃度を測定した. 成績: 投与前, 2および4週目の血清ビタミンB12濃度は胃切例で, 412±33,581±62および701±94pg/ml, 胃全摘例で312±40,440±34および469±30pg/mlと増加した. 胃切例ではビタミンB12の投与前値と増加量に有意な正の相関を認め, 逆に胃全摘例では負の相関の傾向を認めその増加に上限が示唆された. 結論: 常用量のメコバラミン経口投与は, 胃切例や胃全摘例で吸収され, ビタミンB12の補給に外来で容易に管理できる有効な方法である.
著者
水野 英彰 竹内 弘久 土屋 雅人 堀合 真市 鈴木 裕 阿部 展次
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.817-819, 2015 (Released:2015-06-20)
参考文献数
11

【目的】我々は胃瘻患者に対し、一定の高さより重力を利用し半固形短時間注入法と同等の時間で栄養剤を確実に投与する方法を自然落下法と提案し、有用性に関して検討を行った。【方法】2012年5月から2013年5月において、当院で胃瘻経腸栄養患者に対し、レントゲン透視検査による胃機能評価を施行。胃蠕動良好であり、自然落下法を施行した71例を対象とした。使用栄養剤は中粘度(約2000mPa・s)のとろみ調整栄養食品を使用した。検討項目は①投与時間の平均時間②排便回数③糞便スコア④合併症発生率の4項目とした。【結果】①投与時間は18.52±4.92分②排便回数は1.13±1.12回/日③糞便スコアは1.34±0.42点/回④胃食道逆流2例に認め、合併症発生率は2%で自然落下法継続率は98%であった。【結論】自然落下法は安全かつ簡便に投与可能で患者QOL改善に寄与する可能性があり、経腸栄養投与法として有用な手技となり得る可能性が考慮された。
著者
河内 利賢 武井 秀史 塚田 久嗣 相馬 孝博 輿石 義彦 呉屋 朝幸 竹内 弘久 跡見 裕
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, 2005

症例は57歳の男性, 呼吸困難を主訴に当院を受診した. 2002年4月に進行胃癌にて胃全摘術の既往がある. 6月28日, 当院を受診し, 胸部Xpにて左肺の過膨張像を認めた. 翌日のCTにて左無気肺と気管分岐部〜主気管支周囲リンパ節の腫大による左主気管支狭窄像を認め, 胃癌の縦隔リンパ節再発による, 気道狭窄と判断した. 気管支鏡所見では左主気管支に気管分岐部よりリングの部位に全周性の狭窄を認めた. 同部位の組織診断にて胃癌の縦隔リンパ節再発を確認した. 呼吸困難にてPS3と全身状態が悪化したため, 6月30日, 姑息的に左主気管支にUltraflex Covered Stentを挿入, 留置した. 7月1日, 胸部Xpにて左無気肺の改善を認めた. その後, 一旦退院し, TS-1を含む化学療法を施行した. PS1と全身状態も改善し, 3か月間の自宅療養が可能となった. 姑息的にStent挿入を行い, QOLの改善を認めた症例を経験したため, 報告する.