- 著者
-
猪飼 哲夫
辰濃 尚
宮野 佐年
- 出版者
- 社団法人 日本リハビリテーション医学会
- 雑誌
- リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.12, pp.828-833, 2006 (Released:2006-12-29)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
20
27
バランス機能は歩行能力に影響する因子の一つと考えられる.そこで歩行能力の代表的な評価法である最大歩行速度 (Maximum Walking Speed: MWS) と各種バランス検査を,若年者群と高齢者群で検討した.身長は若年者群ではMWS, Functional reach (FR),タンデム肢位での重心動揺,Timed Up and Go test (TUG) と相関したが,高齢者群では関係は認められなかった.若年者群ではMWSは,タンデム肢位外周面積,TUGと相関したが,これは身長の影響によると考えられた.高齢者群ではMWSは,FR,タンデム肢位総軌跡長,TUGと相関した.高齢者では歩行能力は静的・動的両者のバランス機能に影響されることが示唆された.