著者
藤崎 夏子 尾辻 真由美 簑部 町子 肥後 あかね 後藤 隆彦 赤尾 綾子 三反 陽子 中村 由美子 田上 さとみ 中重 敬子 小木曽 和磨 郡山 暢之
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.666-669, 2013-09-30 (Released:2013-10-30)
参考文献数
5

糖尿病治療において,簡易血糖測定器での自己測定による血糖値のモニタリングは有意義である.様々な要因で測定値が影響を受けることが知られているが,外用品を原因とする報告は認められない.我々は,高濃度のアスコルビン酸と各種還元物質を含有した輸入ハンドクリームによって,血糖値が偽低値を示した2型糖尿病の症例を経験し,健常成人10名での血糖値への影響と簡易血糖測定器における比色法と酵素電極法との間での差異について検討した.血糖値は,クリーム塗布前に比して塗布後に,比色法で有意な低値(p=0.005),酵素電極法で有意な高値(p=0.005)が確認された.流水洗浄で塗布前と有意差の無いレベルに回復したが,アルコール綿での拭き取りでは不充分であった.血糖自己測定においては,還元物質を含有する外用品使用の有無についての問診や,それらの影響に関する知識と流水での手洗いの重要性の啓蒙が必要である.
著者
赤尾 綾子 郡山 暢之 安楽 千鶴 三反 陽子 尾辻 真由美 前田 円佳 森 加弥 渡辺 あつ子 河本 美津紀 深川 俊子
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.1025-1030, 2008 (Released:2009-05-20)
参考文献数
17

外来通院中の2型糖尿病患者257名に対し,睡眠障害(SD), 排尿障害(MD)および末梢神経障害(PN)を示唆する症状の有無についてのアンケート調査を実施した.SD, MDおよびPN症状を有する患者は,各々53%, 27%および44%であった.SDとMDは,年齢と正の関係を有し,特に高齢者において注意を要するものと考えられた.65歳以上のSD, MD, PN群と65歳未満のMD群でHbA1cが有意に高値を示し,65歳未満のSD, PN群でもHbA1cは高い傾向を示した.さらに,SD, MDおよびPNは,相互に関連することが推察された.SDでは中途覚醒の頻度が高く,65歳以上の女性では,SDのパターンがバリエーションに富んでいた.これらの障害を抽出するための問診やアンケートは,早期のアセスメントと対処を可能にし,患者QOLの改善,ひいては血糖コントロールの改善にも影響する可能性が示唆された.