著者
辻子 裕二
出版者
福井工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

表層土の浸食防止策の一つとして,植生シート工法が採用される場合がある。この工法は,適用に際し施工時期が限られるといった課題がある。加えて,斜面上の豪雨によって植生シートに含まれる種と栄養分が同時に洗いだされることで,植物の生長が妨げられることが危惧される。この課題に対応するため,本研究では植生シートからの萌芽・活着が可能となるまでの間,一時的に表層土を安定させる工法を提案した。この工法は斜面や周辺環境に影響を及ぼさない処理剤を使うことが特長である。植生の活着および保水性に関する屋外実験および室内実験の結果,本工法の適用性ならびに限界を明確にした。