著者
辻本 聡
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1-13, 2019-10-31 (Released:2019-11-09)
参考文献数
31

神経言語プログラミング(Neuro-Linguistic Programming: NLP)は人間のコミュニケーションや学習の仕方,それに基づいた治療の方法論が体系化されたもので,誰しもが優れた結果を得るために活用できるとされている。しかし,技法が発展する中,本来は来談者の内的体験を重視する治療姿勢であったはずが,方法論が手順化されているために治療者の援助が単純化され,来談者の体験が軽視されているという問題が指摘されている。また,中には複雑な技法もあるため,治療者が行使する特殊な技能とみなされやすく,来談者の主体的な活用が困難になるということも生じる。本稿では,改めてNLPの概説に触れた上で,フラッシュバックによって外出困難となった事例を提示し,NLPの基本とされるモデルやツール,技法の活用で改善に至った経過を報告し,来談者自ら実施できる効果的なNLP治療について考察した。事例からは,1)症状を「体験様式」として再構成する,2)「地図」による見立ての共有,3)技法の「練習」,といった工夫によって,来談者と共同したNLPの実践が可能となり,基本的な技法でも治療効果を高めることができると同時に,NLPが本来志向する「来談者自らが活用可能」という目的を果たせることが示唆された。
著者
辻本 聡一郎 神田 誠 国友 孟
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.48, no.427, pp.545-553, 1982-03-29

低温機器の構造材料として重要なA1およびA1合金の垂直反射率を室温では0.4μmから20μmの波長域で,室温から16Kまでは2.6μmから20μmで測定し,実測値を説明できるモデルの検討を行った.従来の異常表皮効果理論ではその温度依存性を説明することができず,表面の微小凹凸,格子欠陥による伝導電子の付加的な散乱を考慮して求めた緩和時間をDrudeの式に導入する新しいモデルにより,うまく説明できることがわかった.