著者
峯尾 仁 金澤 匠 森川 奈央 石田 京 近江 沙矢子 町田 絢香 野田 高弘 福島 道広 知地 英征
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of applied glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.203-209, 2008-10-20
被引用文献数
1

小腸と膵臓の消化酵素の適応について,異なる種類のデンプンを摂取させたラットで検討した.オスのSD系ラット(6週齢)に,トウモロコシデンプン,またはリン含量の異なる2種類のバレイショデンプンを含む3種類の飼料を摂取させた.小腸のスクラーゼ,マルターゼおよびラクターゼ活性と,膵臓のアミラーゼ活性の変化を飼料摂取後1,3,5週目に測定した.十二指腸のスクラーゼおよびマルターゼ活性は三つのデンプン群間で有意な差異を生じたが,ラクターゼ活性は差異を生じなかった.空腸と回腸の二糖類分解酵素と膵臓のアミラーゼ活性は,3群間で差異はなかった.以上のように,異なるタイプのデンプンに対する二糖類分解酵素の適応は,十二指腸でのみ局所的に生じ,それより下位の小腸部位では生じなかった.