著者
千葉 ひとみ 知地 英征 Hitomi CHIBA CHIJI Hideyuki 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科人間生活学研究科食物栄養学専攻
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要 第2部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
no.44, pp.31-37, 2007-03-31

1)二等検および三等検羅臼昆布から強酸性陽イオン交換樹脂処理と等電点晶析によってうま味成分(グルタミン酸、アスパラギン酸)の混合結晶を簡単に得ることができた。2)強酸性陽イオン交換樹脂処理で、溶離液として3種類のアンモニウム塩(酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム)の水溶液を用いたが、アミノ酸の精製には適していないことがわかった。3)強塩基性陰イオン交換樹脂処理で、酢酸を溶離液に用い、減圧濃縮後、濃縮液を静置するだけでうま味成分の混合結晶が得られた。4)強酸性陽イオン交換樹脂処理の後、強塩基性陰イオン交換樹脂処理によってうま味成分の精製を試みた結果、1種類のイオン交換樹脂単独処理より収量は低かったが、うま味成分(グルタミン酸、アスパラギン酸)以外の夾雑アミノ酸(アラニン)を除くことが出来た。
著者
知地 英征 後藤 千津子 松本 恵 土佐 孝文
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.79-83, 2002-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4

1)羅臼コンブ50gからイオン交換樹脂処理を行いグルタミン酸の結晶約1gを得る簡便な学生実験方法を考案した。2)コンブから単離した結晶と試薬のグルタミン酸,およびうま味調味料「味の素」のペーパークロマトグラフィーのRf値が一致することから,三者が同じものであることを確認した。3)本実験により,学生はうま味調味料及びアミノ酸の理解が深まり,正しい食品化学の知識を身に付けることができた。また分析の基本技術であるクロマトグラフィーの原理についても理解が深まった。
著者
福田 絵里 青柳 幸恵 山岸 和敏 賀佐 伸省 知地 英征 Eri FUKUDA AOYANAGI Yukie YAMAGISHI Kazutoshi GASA Shinsei CHIJI Hideyuki 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科 株式会社スリービー 札幌医科大学医療人育成センター教養教育研究部門化学教室 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科藤女子大学大学院人間生活学研究科食物栄養学専攻
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第2部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
no.49, pp.51-55, 2012-03-31
被引用文献数
1

エルゴチオネインの抗酸化性について加熱温度および各pHの影響をORAC分析法で調べた。1) タモギタケから得た精製エルゴチオネインは、ORAC法においてグルタチオン、L-システイン、L-メチオニンなどのチオール基含有アミノ酸および含硫アミノ酸と比べ抗酸化活性が高かった。DPPHラジカル消去活性評価法による測定においても同様の結果を示した。2) 精製したエルゴチオネインおよびエルゴチオネインを含む抽出物は、加熱温度や各pHで抗酸化性が変わらず、安定的に抗酸化能を有する化合物であることが、ORAC法において確認された。
著者
松坂 裕子 知地 英征 YUKO MATSUSAKA CHIJI HIDEYUKI 藤女子短期大学 生活学科 食品栄養学研究室 藤女子大学 人間生活学部 食品機能学研究室
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学・藤女子短期大学紀要 第2部 (ISSN:02869470)
巻号頁・発行日
no.34, pp.27-31, 1996-12

ハスカップのアントシアニン色素を塩酸メタノールで溶出し,Dowex50Wカラムを用いて精製した。ハスカップ色素の安定性に及ぼす糖,有機酸,L-アスコルビン酸の影響を検討した。1. 糖類添加では,5.0~20.0%濃度,いずれも吸光度の増大が認められ,増強された赤色は長時間安定であった。また,糖濃度が高い程,濃色化効果は大きかった。2. 有機酸0.8%添加でも濃色化効果を示し,その効果を長時間持続した。3. L-アスコルビン酸添加では.色素は低温(4℃),室温(20℃)ともに急激に退色が進んだ。
著者
峯尾 仁 金澤 匠 森川 奈央 石田 京 近江 沙矢子 町田 絢香 野田 高弘 福島 道広 知地 英征
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of applied glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.203-209, 2008-10-20
被引用文献数
1

小腸と膵臓の消化酵素の適応について,異なる種類のデンプンを摂取させたラットで検討した.オスのSD系ラット(6週齢)に,トウモロコシデンプン,またはリン含量の異なる2種類のバレイショデンプンを含む3種類の飼料を摂取させた.小腸のスクラーゼ,マルターゼおよびラクターゼ活性と,膵臓のアミラーゼ活性の変化を飼料摂取後1,3,5週目に測定した.十二指腸のスクラーゼおよびマルターゼ活性は三つのデンプン群間で有意な差異を生じたが,ラクターゼ活性は差異を生じなかった.空腸と回腸の二糖類分解酵素と膵臓のアミラーゼ活性は,3群間で差異はなかった.以上のように,異なるタイプのデンプンに対する二糖類分解酵素の適応は,十二指腸でのみ局所的に生じ,それより下位の小腸部位では生じなかった.