著者
遠藤 千絵 石黒 浩二 瀧川 重信 野田 高弘 波佐 康弘
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.50-55, 2015-01-15 (Released:2015-02-28)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

生食用ジャガイモ品種の低温貯蔵による糖増加特性を解析した.品種によって糖の増加程度が異なること,特に「インカのめざめ」「インカのひとみ」は長期低温貯蔵で糖が顕著に増加することが明らかとなった.増加した糖組成の解析から「インカのめざめ」は「ショ糖増加型」,「キタアカリ」は「還元糖増加型」,「ノーザンルビー」は両タイプの中間的な特性を持つ品種であることがわかった.「インカのめざめ」においては,二地点の圃場で収穫された塊茎でも同一カ所の低温貯蔵で1ヶ月以降同程度の糖増加が見込めること,低温貯蔵出庫後,室温におくと1週間程度で増加した糖の40%弱が,1ヶ月後までには50∼70%強が消失すること,1週間後までに室温から低温に戻せばその後3週間程度で出庫時の80%程度まで糖量を回復できることが明らかとなった.
著者
峯尾 仁 金澤 匠 森川 奈央 石田 京 近江 沙矢子 町田 絢香 野田 高弘 福島 道広 知地 英征
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of applied glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.203-209, 2008-10-20
被引用文献数
1

小腸と膵臓の消化酵素の適応について,異なる種類のデンプンを摂取させたラットで検討した.オスのSD系ラット(6週齢)に,トウモロコシデンプン,またはリン含量の異なる2種類のバレイショデンプンを含む3種類の飼料を摂取させた.小腸のスクラーゼ,マルターゼおよびラクターゼ活性と,膵臓のアミラーゼ活性の変化を飼料摂取後1,3,5週目に測定した.十二指腸のスクラーゼおよびマルターゼ活性は三つのデンプン群間で有意な差異を生じたが,ラクターゼ活性は差異を生じなかった.空腸と回腸の二糖類分解酵素と膵臓のアミラーゼ活性は,3群間で差異はなかった.以上のように,異なるタイプのデンプンに対する二糖類分解酵素の適応は,十二指腸でのみ局所的に生じ,それより下位の小腸部位では生じなかった.