著者
近藤 保彦
出版者
帝京科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

動物は、なわばりの維持、パートナーの選択と、さまざまな他個体との相互交渉を行いながら個の保存、主の保存を実現している。これらの社会行動は、嗅覚を中心とした社会信号が視床下部に送られ制御されているが、最近の研究でとくに神経ペプチドであるオキシトシンが重要な役割を果たしていることが分かってきた。我々は、この研究でオキシトシン欠損マウスが異性の匂いに対する選好性を失っていること、また、特に雌マウスでは初めての交尾時に雄をなかなか受け入れられないことを発見した。さらにラットを使った実験では、母親が仔ラットの匂いに惹きつけられるのにもオキシトシンが重要であることがわかった。