著者
山路弘樹 中村輝子 横山潤 近藤健児 諸田隆 竹田秀一 佐々木博 牧雅之
出版者
植物研究雑誌編集委員会
雑誌
植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.57-78, 2007-04-20 (Released:2022-10-20)

日本産カンアオイ属ウスバサイシン節植物の形態変異を明らかにするために,国内の全分布域・既知の分類群,地域集団を含む55集団について野外調査を行った.同節に関する過去の研究はいずれも量的形質の評価が不十分であるため,本研究では今まで用いられてきた形質,新たに採用した形質の評価に加え,花の量的形質に基づく多変量解析を行った.その結果,形態より区別できる8型が認識された.日本の同節はまず萼筒内壁のカラーパターンで2型に分けられ, D 型は全面暗紫色なのに対し, L 型は基底部は暗紫色,中央部は黄緑色ないし淡紫色,萼筒開口部は暗紫色ないし白色だった. D 型はさらに萼筒内壁,萼裂片内面の毛の細胞数,雄蕊・雌蕊の数で D1-D4 の4型に分けられ, L 型は萼筒の形態,萼筒開口部の大きさ,萼裂片の形態,サイズで L1-L4 の4型に分けられた.この8型はほぼ異所的に分布し,それぞれ独立の分類群に値するまとまった地域集団と推定された.
著者
近藤 健児 藪内 繁己
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究課題の一つのまとめとして、近藤と藪内の共同研究では、環境汚染を引き起こす工業材生産部門に汚染抑制装置を提供する産業部門が存在するという拡張された小国CopelandandTaylorモデルに、都市部門の最低賃金と失業を導入し、環境税や賃金政策、外国人労働の受け入れなどの経済効果について分析を行った。とりわけ労働受け入れは、一定の条件のもとでは、環境問題、失業問題、国内の経済厚生いずれにも好影響をもたらしうるという注目すべき結論が得られた。この共同研究はJournalofInternationalTradeandEconomicDevelopment(2012)に掲載された。