著者
松本 亮介 近藤 宇智朗 三宅 悠介 力武 健次 栗林 健太郎
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.89-97, 2017-11-30

クラウドサービスや Web ホスティングサービスの低価格化と性能の向上に伴い,コンテナ型の仮想化技術を活用することにより,複数のユーザ環境の収容効率を高めると同時に,セキュリティの担保とリソース管理を適切に行うことが求められている.一方で,障害時の可用性やアクセス集中時の負荷分散については依然として各システムに依存している.本研究では,HTTP リクエスト毎に,コンテナの起動,起動時間,起動数およびリソース割り当てをリアクティブに決定する,実行環境の変化に素早く適応できる恒常性を持つシステムアーキテクチャを提案する.提案手法により,アクセス集中時にはコンテナが HTTP リクエストを契機に,アクセス状況に応じて複製 ・ 破棄されることで,迅速に自動的な負荷分散が可能となる.さらに,コンテナが一定期間で破棄されることにより,収容効率を高め,ライブラリが更新された場合には常に新しい状態へと更新される頻度が高くなる.
著者
近藤 宇智朗 松本 亮介 栗林 健太郎
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.19-20, 2018-03-13

インターネットが普及し、突発的アクセス増などに耐えられるサーバアーキテクチャが求められる中、起動やスケールアウトが容易なLinuxコンテナに注目が集まっている。筆者は、HaconiwaというLinuxコンテナランタイムを新しく開発した。特徴として、コンテナの様々な機能を作成時に自由に取捨選択して組み合わせができ、豊富なフック機構を備える。さらに、Haconiwaはスクリプト言語mrubyを内蔵しており、これらの設定をプログラミングにより統一的に記述でき、様々なシステムやアーキテクチャ的要求に応じたコンテナを作成可能になる。また筆者らはHaconiwaを中心に据えてシステムの循環を自動的に行い、安全な運用ができるウェブホスティングシステムも開発した。そのアーキテクチャについても応用例として論ずる。
著者
笠原 義晃 松本 亮介 近藤 宇智朗 小田 知央 嶋吉 隆夫 金子 晃介 岡村 耕二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-40, no.2, pp.1-6, 2018-02-26

インターネットを介して多種多様なサービスが提供されるようになり,そのサービス基盤となるホスティングやクラウドサービスには高効率化,耐障害性,負荷変動への耐性,柔軟性,セキュリティなどさまざまな要件が求められている.本研究では,これらの問題を解決するため FastContainer と呼ぶ軽量コンテナに基づくシステムアーキテクチャの改良を進めており,特にオートスケーリングのために必要な状況検知やリソーススケジューリング機能の研究開発のため,パブリッククラウド上にテスト環境を構築している.本論文では FastContainer の概要とテスト環境の詳細,現状と今後の課題について述べる.