著者
渡辺 正敏 旭 博史 石田 薫 阿部 正 近藤 宗廉 小川 将 天野 一之 斉藤 功 金 直樹 中村 隆二 西成 尚人 森 昌造
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8, pp.1753-1757, 1985-08-01

domperidone の gastroesophageal reflux (GER) 対する治療薬剤としての評価について, 健常人18名を対象に, 食道内圧測定 (5名), テレメタリングによる24時間食道 pH 測定 (13名) を行い検討した. lower esophageal sphincter (LES) の圧と長さは domperidone 0.2mg/kg 静注にて15分後から有意の増加を示し, 60分後は最大で対照の約2倍に達した. GER に関しては, 逆流回数では domperidone 投与後に著変を認めなかった. 一方, 逆流時間では24時間中, 日中, 夜間のいずれの1時間当りの逆流時間においても対照と大差は無かったが, 投与後1時間の値では対照群に比べ著明な短縮を示した. 以上より, 本剤は LES 機能, 食道自浄作用を高めることに寄与することが示唆された.