著者
近藤 敏行 小林 利宣
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.1-9, 1960-12-30

さきに著者が発表した,K.K.改訂Bemreuter Personallty Inventoryを,中学生の生活や思考に適応するようにあらためた92項目の診断目録(K.B.P.I、-J特型)を作製し220名の被検者の応答に基づいて,各項目間の四分割相関係数を算出し,その相関行列をもとに三因子分析を行ない,7個の因子を抽出した。それはもとの診断目録の因子と5個一致し,2個はもとの因子とは別のものと解釈された。一致した因子は,神経質,自己充足・内向-外向,自信欠如・支配服従1の5特性であり,もとのB.P.I.にあつた社交性のかわりに,情緒性,自我の2特性が抽出された。次に各因子の各項目に対する負荷量を5段階法によって,重みづけを行をつて,2,1,O,-1,-2の得点をあたえた。次に中国・四国,近畿地区のづ・学校5年生以上高等学校1年までの児童,生徒約1,000名に,この診断目録を実施して,その標準化を行をつた。因子解釈において,特にS型との関連において,やや困難を感じさせられたものが若干あり,目録の妥当性についての検討が,今後に残された課題である。