著者
住ノ江 真悟 大原 圭織 多和田 昌弘 近藤 歩 下山 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.576, pp.1-5, 2006-01-20
被引用文献数
2

植物は光環境の変化に対して様々な応答を示す. 最近の研究により, 数種の多肉植物において光と乾燥ストレスの二つの要因によって葉緑体が集合するという現象が見出されている. 多肉植物は乾燥地に多く生育していることから, この現象は乾燥ストレスに起因する光障害からの形態学的な防御機構であると考えられている. このような多肉植物の乾燥適応機構を明らかにすることは, 耐乾燥性植物を開発していく上で重要な知見となる. 本研究では, 光の波長の違いが葉緑体の集合運動に及ぼす影響について調査した. 観察手段として, 生物学や医学における生体解析に有用な共焦点レーザ走査型顕微鏡を用い, 蛍光観察を行った. その結果, 青色光および紫外光が葉緑体の集合運動に関与していることが示唆された.