- 著者
-
近藤 美麻
伊藤 健吾
千家 正照
- 出版者
- 公益社団法人 農業農村工学会
- 雑誌
- 農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
- 巻号頁・発行日
- vol.79, no.2, pp.117-123, 2011-04-25 (Released:2012-04-25)
- 参考文献数
- 9
2008年5月から10月にかけて岐阜県に位置するビオトープ池と隣接排水路,その間に設置された魚道において魚類を採捕し,イシガイ類幼生の寄生状況を調査した.その結果,イシガイ類幼生の主な寄生主は,イシガイおよびトンガリササノハガイではオイカワ,ドブガイおよびマツカサガイではヌマムツであった.また,魚道において採捕した魚類のうち,ビオトープ池から排水路への降下魚と排水路からビオトープ池への遡上魚におけるイシガイ類幼生の寄生状況を比較した結果,遡上魚よりも降下魚において平均寄生数が大きく,かつ,寄生幼生の総数も多い結果となり,ビオトープ池がイシガイ類の繁殖場所としての機能を持ち,周辺水域への分布域の拡大や個体数維持に貢献していることが示唆された.